地域に支えられ、世界に発信できる教室造りを

山形大学医学部外科学第二講座は心臓血管外科,呼吸器外科,小児外科のそれぞれが専門医資格を要する3部門から成る特徴ある外科学教室であり,各々が3本柱として有機的に結び合い,地域の高度医療に貢献するとともに学生からも魅力のある医局の一つと考えます.このような良き伝統守りながら21世紀の医療を担い、私ども診療科が担当する心臓血管外科、呼吸器外科,小児外科が互いに協調しつつ,専門集団から成る総合外科学教室として,地域に支えられ,世界に発信できる教室造りをすることが私の使命と考えております.

これを実践すべく,以下の目標を掲げています.

1) 一般外科的見地に立脚した専門外科治療:私自身,3年6ヶ月間の一般外科研修の後,心臓血管外科を専門とした経緯があります.常に,患者様の頭から胸,腹,そして足先までの全身を視野に入れた上での,専門外科的治療が必要であることを痛感しています.その上で,当科では心拍動下冠動脈バイパス手術,胸腔鏡下肺切除術,腹腔鏡下小児腹部手術などの低侵襲手術を積極的に行っていますが,何が本当に低侵襲なのか,全身反応はどうなのかを,常に,評価研究しながら治療戦略を立て,患者様ひとりひとりにマッチした最善の治療を行います.

2) 次世代を担う外科医の育成:医学部卒業生の外科志望者の減少傾向があると囁かれる中だからこそ,優れた外科医の育成は急務です.当教室は心臓外科,血管外科,肺外科,小児一般外科と守備範囲は広く,また,それぞれが専門医制度をもつ高度先進治療を扱っています.一般外科から心臓,人工心肺,血管,内視鏡手術操作,新生児から乳幼児疾患と吸収できる外科手術項目は多彩であり,学生,研修医にも興味が尽きないと考えます.山形県内を中心とした関連施設も多く,十分な研修システムの提供が可能です.多くのやる気のある人材を受け入れます.

3) コラボレートした研究:外科診療から生じた問題点,改善点をテーマとして,これを内科系や基礎医学教室との共同研究として発展させることを主眼と考えています.さらには理工学部との連携も図り,総合大学としての山形大学の利点を活用し,奥行きのある世界に発信できる研究を育てていきたいと考えています.

4)外科プロフェッショナリズムの自覚実践:第二外科の3部門はそれぞれが専門医制度の外科の上に位置する二階建て部分を構築する専門性の高い診療部門です。プロフェショナルとしての自覚のもとに、日々研鑽を積み、また、専門集団である第二外科個々の各員を尊重して、皆で目標に向かって高め合うことをモットーとします。

5)積極的な海外連携:以前のような欧米一辺倒でなく、アジアの医学レベルも向上し、アジアの皆が自信をもって発表や実践をしている時代になってきました。その一員として我々も英語のスキルを上げ、海外で積極的に発表し友人を作りましょう。海外の経験は自分の姿を鏡に映しだし、自分の立ち位置や態度、有り様に気づかせてくれます。自分を見直し飛躍する切っ掛けとなります

外科でないと救えない病気や
患者さんが必ずいる

外科でないと救えない病気や患者さんが必ずいる。また、外科の支えがが盤石でないと、内科もマイナー診療科も診療レベルが維持できない。メイジャー外科への若手志望者の激減している今こそ、そのコアの外科学教室である第二外科に勇気を持って飛び込んで欲しい。

1.第二外科は心臓血管外科,呼吸器外科,小児外科のそれぞれが専門医資格を要する3部門から成る全国でも特徴ある外科学教室であり、関連病院では一般消化器外科も学べる。生後間もない新生児から80歳を超えた超高齢者まで幅広い年齢層が治療の対象で、多くを学べ、強い遣り甲斐を実感できる。小児外科や小児心臓外科など先天性疾患を扱う外科は、いくら生命科学が進歩しても、不要となることのない、永遠不滅の外科と言われている。また、肺癌は今後増加が明らかで外科手術が第一選択、また、高齢化社会の中に循環器外科のニーズは益々大きくなっている。正に、不滅で高い技量を要する外科が第二外科そのものなのだ。

2.第一内科との連携による循環器センターと呼吸器センターが実質的に稼働、臓器別センターという縦糸と第二外科教室という横糸の中で教室員は多忙ながら遣り甲斐のある生活を営んでいる。

3.手術件数は著しく増加し、平成27年の手術件数は第二外科全体で770件に及び、全身麻酔件数としても院内第一であり、全国国立大学ナンバー外科教室の中でも上位に位置している。人工心肺使用を含めた心臓大血管手術だけでも220件に迫る。新しい手術室では心臓手術が二室で完全に2例並列に施行、さらに平成27年からはハイブリッド手術室も加わり、人工心肺装置も3台設置、皆に大きな経験のチャンスがあります。血管内治療である大血管ステント挿入術の施行件数は東北有数で大都市圏の施設と肩を並べるまでに達しています。呼吸器外科には専門の内視鏡設置型手術室が設けられ、三次元画像解析を駆使した完全内視鏡下の肺区域切除法を行っている。小児外科も専門室で鼠径ヘルニア手術を5mm径のピンニードルファイバスコープでの腹腔鏡手術としている。

4.データベースを蓄積しており臨床研究で学会発表や論文発表が増加。教室員一人づつの基礎系講座や第一内科研究グループに学内出張して貰っており、まvた、教室内でも独自の研究プロジクトが進んでおり、学位取得に向けた環境を整えている。

5.関連病院は全て500床以上の中核病院。県内は全て第二外科同窓生。更に宮城県内に2カ所、新潟県と埼玉県への県外出向。特に南東北三県の大学間の交流を通して、将来を担う若手の育成を整備している。

第二外科は急成長の教室で、少数精鋭の中で、全員がそれぞれテーマと遣り甲斐を持ち、家族同様に一体となっている。 患者さんの健康を守るため、QOLを改善するため、そして、かけがえのない命を守るため、一緒に、第二外科で頑張ろう。

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