患者さんに向けて

 山形大学医学部外科学第二講座(第二外科)呼吸器外科部門は、肺がんのみならず、他のがんからの肺転移、胸腺腫などの前縦隔腫瘍、若い方を悩ませる気胸といった幅広い疾患を取り扱っており、山形の地で最先端の医療を地域の患者さんに届けるべく、創立以来技術の向上と革新に取り組んでおります。
 日本において、肺がんは依然としてがん死亡原因のトップを占めており、年々その罹患率も増加傾向にあります。社会全体の高齢化や喫煙などの生活習慣の影響もあり、特に中高年層において今後ますます肺がんとなる患者さんは増加していくと考えられます。こうした状況において、肺がん治療の進歩とともに、患者さんに対する治療の選択肢を広げることが求められております。外科手術は肺がんの根治が可能な治療であり、組織を採取することで免疫チェックポイント阻害薬などの有効な薬物治療にもつながるため、治療において大きな役割を担っております。

 当講座は、この肺がん診療における深刻な課題に対して、先進的かつ安全な集学的治療を提供し、臨床および研究を通じて日本の医学の発展に大きく貢献しています。
 具体的には、以下のような点が当講座の特色であると考えております。

1. 臨床試験の最前線で肺がん診療の向上に貢献

 当講座は全国規模の臨床試験を実施するJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やWJOG(西日本がん研究機構)などの臨床研究グループに積極的に参画しており、登録症例数は国内でもトップクラスの実績を誇ります。エビデンスに基づいた最新の治療を提供し、患者さんの治療の質の向上を目指すとともに、症例やデータの蓄積により医学の更なる発展に貢献できるよう日々邁進しております。

2. 高度な技術で安全かつ低侵襲な手術を実現

 肺がんの手術と聞くと、昔のように胸に大きな傷ができ何週間も入院が必要と考える方もいらっしゃるかと思いますが、近年呼吸器外科の領域では、小さな傷での手術や内視鏡・手術支援ロボットを併用することで患者さんの負担を小さくし、体力を落とさないように早期に退院できる「低侵襲手術」が主流となっています。
 当講座では、患者さんの身体的負担を軽減し、安全性・根治性を追求した治療を提供するため、ロボット支援下肺切除術や単孔式手術といった最先端の低侵襲技術に注力しています。豊富な内視鏡での手術や、少ない範囲で肺を切除してがんを根治させる縮小手術の経験を活かし、安全性と有効性を両立させた治療を提供することをモットーとして安全で効果の高い手術を心がけております。

3. 世界基準の学術活動

 肺がんの診療は日々アップデートされており、様々なエビデンスが世界各国より集積され、呼吸器外科領域でも国際水準の最新の薬や治療の学習が必須となっています。当講座は学術活動も積極的に行っており、若手医師もキャリアの早い段階から国内外の学会で発表する機会を得ることができます。世界各国の学会で世界水準の知識を学びながら、和文・英文での論文発表を通じて確かな業績を積み重ねています。
 また、当講座で集積されたデータは国外においても高い評価を受けており、2024年5月にスペインにて開催された第32回欧州胸部外科学会(ESTS)において、当講座より発表したデータが最優秀演題賞を受賞しております。


呼吸器外科を志す先生へ

 当講座には若手医師が多く在籍しており、和やかな医局の雰囲気の中で基礎から指導を受けることができます。早期から執刀経験を積み、呼吸器外科医としての基礎をしっかりと身に付けることで、信頼性の高い医師の育成に貢献しています。また、国内の様々な施設との公私における交流も盛んであり、国立がんセンターや東北圏・首都圏・関西圏の基幹施設とも積極的な人事交流を行っております。基礎をしっかりと固めた上でハイボリュームセンターでの修練を積み、山形の誇りを背負う確かな腕前と知識を身につけた外科医の育成を基幹方針としております。研究活動については、当講座は学内外の基礎系講座や研究機関とも連携しており、当科所属の若手医師は希望すれば学内外の大学院に進学し学位を取得することが可能です。

 当講座は豊富な手術経験と優れた学術的知見を基に、山形の地で患者さんに最先端の医療を患者さんに提供できることを誇りとしております。
 これから呼吸器外科を志す若手の医師にとっても、充実した学術活動と手術修練を提供し、呼吸器外科医としての成長を支えるための理想的な環境であると自負しております。
 また、患者さんに最善の医療を届けるためには、外科医自身の健康と生活の充実も必須であると考えており、近年話題となっている医師の働き方改革に基づき、ワークライフバランスを意識した医師のキャリアパスの成就に向け、医局で一丸となって取り組んでおります。
 四季の彩りと多くの実りに囲まれたこの美しい山形の地で、私たち第二外科と共に、次世代の呼吸器外科診療の最前線で活躍しませんか?

塩野知志

Satoshi Shiono

副科長・准教授 (病院教授)

経歴
平成4年 山形大学卒
医学博士

資格
日本外科学会認定医・指導医
日本胸部外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医・指導医(評議員)
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医(評議員)
日本肺癌学会評議員
日本呼吸器外科学会認定 ロボット支援手術プロクター

専門
肺がん(外科治療, 集学的治療, 画像診断, 呼吸器インターベンション)
転移性肺腫瘍
縦隔腫瘍
気胸
膿胸

令和4年4月1日より赴任致しました。
患者さんにできるだけ寄りそい, みなさまの病状にあった治療を選択し,実施して参ります。

鈴木 潤

Jun Suzuki

助教•医学部講師
(医局長)

経歴
平成18年 山形大学卒
医学博士

資格

医師臨床研修指導医
外科専門医・指導医
呼吸器外科専門医・評議員
気管支鏡専門医・指導医
呼吸器専門医・指導医
肺癌CT検診認定医
日本ロボット外科学会専門医(Robo Doc certificate 国内B級)
胸腔鏡安全技術認定医
インフェクションコントロールドクター
日本呼吸器外科学会認定 ロボット支援手術プロクター
日本内視鏡外科学会内視鏡技術認定医(呼吸器外科)

渡辺 光

Hikaru Watanabe

助教

経歴
平成24年山形大学卒

資格
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本癌治療認定医機構がん治療認定医
日本ロボット外科学会国内B級ライセンス
医師臨床研修指導医
日本呼吸器外科学会認定 ロボット支援手術プロクター

高森 聡

Satoshi Takamori

病院助教

平成27年卒 

医学博士
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
肺がんCT検診認定医

医師臨床研修指導医
医師臨床研修指導医
日本呼吸器外科学会認定 ロボット支援手術プロクター

捧 貴幸

Takayuki Sasage

病院助教

日本外科学会(専門医)

佐藤 開仁

Kaito Sato

病院助教

 資格
  日本外科学会/日本専門医機構(外科専門医)
 履歴
  平成29年 秋田大学卒

阿部昂平

Kohei Abe

病院助教

星島一允

Kazumasa Hoshijima

病院助教

平成23年 東大寺学園高卒
平成31年 山形大学卒

米国Duke大学留学
元山形大学医学部教室委員会副会長候補者

政木 佑司

Yuji Masaki

病院助教

令和5年 山形大学卒

臨床実績

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